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需要予測

多くの企業が注目する「需要予測」。

しかし、その実態はソフトウェアベンダーの言うがままに高額なシステムを導入するだけで満足な結果を残せていません、

成功企業と失敗企業の差は何なのでしょうか?

 

失敗企業の特徴とは?

質問します。需要予測について以下の3つの項目に正しいと思えば○、間違っていると思えば×とお答えください。


・予測精度がすべてである。

・高額なソフトウェアとシステムへの投資は避けられない。

・人知を超えたパフォーマンスを期待する。




これらは、多くの失敗企業の「需要予測システム導入の目的」であったと聞くと驚くかもしれません。特に小売業における発注は、現時点でも「人手によるもの」、もしくはPOS実績による「発注点方式による補充発注」に頼っているのが現状です。もしくは社内プロジェクトとして取り組みつつも「精度が出ない」、「人手でやったほうがまし」と言った声が多く聞かれます。そのような企業では「人間のカンピュータに勝るもの無し」として、発注については未だに人手をかけていたり、「相場勘」の育成に力を入れているのが現状です。また、ソフトウェアベンダーやSIerに視点を移してみると、「最先端の数学理論」により、高速で、精度の高い予測が少ない手間と限られた投資で実現可能・・などの謳い文句が見受けられます。


これらのどこが問題なのかおわかりでしょうか?





需要予測システムの本当の目的


需要予測システムの目的はたった二つしかありません。


 1.スループット(売上ー変動費)の向上

 2.個人の勘と経験をシステムに置き換えるリスクヘッジ機能


需要予測システムの最大の目的は予測精度でも人知を超えたパフォーマンスでもなく、スループットの向上です。一定の予測精度はその手段でしかありません。スループットを向上させるには、ボトルネックを定量的に評価し、在庫と業務費用を減らすことです。これらを需要予測で注目しなければならない科目に置き換えると


「過剰在庫」 (企業に滞留するキャッシュ+在庫をキャッシュ化するために業務費用)

「発注コスト」 (業務費用)

「欠品による機会ロス」 (本来得られるキャッシュの喪失)


・・ということになります。これらを最小化することが需要予測システム最大の目的です。そのように考えれば予測精度を追求することや、高額なシステム投資をすることをなぜ目的化してはいけないのか理解できると思います。もちろん、予測精度を上げてはいけないということではありません。しかし、得体の知れない「数学理論」を使えば、「1週間後のフライパンの販売数」が正確に予測できるかもしれないと考えるのは、現時点の最新技術を駆使しても、残念ながら不可能です。

少し話を変えます。実際の現場では宝くじと違い、「来週はフライパンが25個売れる」とピタリと当てる必要はありません。多少の幅は許容されるはずです。たとえば「22〜27個の間で売れる確率95%」という指標がわかったとしたらいかがでしょうか?優秀な担当者の頭に入っている「来週は25個くらい売れそうだ」という経験知が前述のように数字としてコンピュータが表示したらいかがでしょうか?

もし、それが可能であれば、優秀な担当者が病欠したり、人事異動でいなくなったり、転職してしまってもそのお店の発注精度は変わることはありません。これが、需要予測システムの第二の目的であるリスクヘッジ機能です。需要予測システムを導入することで、発注における一部の優秀な担当者が持つ「個人の名人芸」をシステム化することが可能になります。それは「定性的で不安定な勘と経験を、定量化することによる企業資産化」する作業と言い換えることもできます。また、どれだけ優秀な人でも時としてミスを犯しますが、システムはミスを犯しません。

このように言うと「企業は人だ!人の能力を機械がまかなえる筈がない!」という反論を受けることがあります。もちろん「企業は人なり」というご意見には100%賛成します。しかし人がまかなうべき部分は、本来機械にできない部分であるべきなのです。機械にできないこと、それは未来の予測です。正確に言うと「過去に例のない事象」をイメージする感性です。機械は過去の実績を元に未来の出来事を予測しているに過ぎません。しかし人間の感性はそのような過去にはとらわれません。したがって、機械にも可能な「過去の延長線上としての未来予測」は機械に任せ、人間は機械にできない感性を磨くことにより集中すべきなのです。

昔、ある自動車メーカーが過去のデータや顧客の声を徹底的に分析し、あらゆる要件を取り入れたクルマを発売したところ、「つまらない」と評価され、全く売れなかったということがありました。かたや、2000万円以上もするフェラーリはどうでしょう?現時点でも顧客に媚びることなく独自の官能的なデザインとF1からフィードバックしたスペックを極限まで追求し、何より「フェラーリとしての感性」を意識した典型的な「プロダクトアウト」型のクルマ作りをしていますが、最新のV8モデルに至っては2年半先までオーダーが埋まっています。

※これはブランド論にも関わりますが、この例では話が反れますので割愛します。

成功企業の逸話

とある大手小売チェーン企業で需要予測テストの成果を報告したときでした。そのときの予測精度は全アイテム平均しておよそ80%という結果でした。簡単に言うと、実際には10個売れたのですが、8個と予測していたケースが多かったということになります。実はこの予測精度はシステム化を検討する以前、つまり発注担当者が人手で行っていたときの精度とほとんど変わりませんでした。そのとき、システム部長さんや、役員陣からはため息とともに「こんな人間と変わらないレベルのシステムに投資するなんて馬鹿げている。」、「システムの意味がないじゃないか」というご意見をいただきました。そのとき、先方の社長が一言こう言いました。

「つまり人の勘と経験をお前は数式にしたんだな?すごいことじゃないか!」

「今批判した人たち。では君たちならもっと正確な予測ができるというんだな?もしそうならその能力で僕の株式資産を運用してくれないか?100%利益が出るならぜひ頼みたい。」

需要予測システムの本質を見抜いた社長の一言で、即システム導入が決定しました。



ここまでお読みいただいた方はすでに把握されたかと思いますが、改めて最初の質問にお答えしようと思います。



・予測精度がすべてである。

予測精度は人手によるものから5%t程度上回れば大成功です。そして、あくまで精度は手段の一つです。やるだけ無駄な「当らないもの」の精度向上に無駄な時間を費やすのは止めましょう。異常値を極限まで減らし、何が無駄で何が無駄でないかの選別をどれだけに効率的に行うかが、ゴールへの最も早い近道です。



・高額なソフトウェアとシステムへの投資は避けられない。

高額=優れている わけではありません。1000万のソフトウェアと2万円のEXCELを比較して500倍も精度が上がるということはありません。ただし、例えば1000万の投資で2千万の利益が出るのであれば(その予算があれば)検討すべきです。繰り返しますが、予算があるからといっても需要予測システムの《導入》を目的変数にしてはいけません。スループットが上がるかどうかのKPIをきちんと作成したうえで定量的に判断すべきです。



・人知を超えたパフォーマンスを期待する。

誤解を恐れずに言えば、コンピュータが人間よりも端的に優れている点は、計算の速さと安定性です。安定性とは、処理の効率とエラーの無さを指します。現時点では一流のファンドマネージャーを越えるパフォーマンスを発揮する株式運用ソフトも金融工学理論も存在しません。

確かに、一般的な需要予測によく使われるソフトを使用すると、誰でも、世界最高水準の数学者が発明した画期的な理論を使った計算結果を得ることができます。ところが、これが最も陥りやすい罠なのです。

安全なサーキットでタイムアタックをするシーンを想像してください。ここでは、免許取立ての初心者でも、高性能なスポーツカーのアクセルを踏めば、一定のタイムで走れてしまいます(少なくとも自家用車で走るよりは)。ところが、同じクルマをレーサーが運転すれば圧倒的なタイム差で、より速く走らせるでしょう。

「できること」と「どれだけできるか」はまったく別の次元の話です。世の中には「わかりやすい部分だけに焦点を絞り、中身は問わない」商品が多数存在します。最近では800万画素や1000万画素のコンパクトデジタルカメラが当たり前になっており、一眼レフとの画素差が縮まってきています。メーカーも「画素数」を前面に打ち出した販促活動をしています。ところが「一眼レフ並みの高画質」かと言われると実はその表現は正しくありません。画質を決めるのは画素数だけではなく、画素が収まるCCDやCMOSセンサーの「サイズ」によるところが大きいのです。ここでその詳しい内容については触れませんが、コンパクトデジタルカメラのCCDは小指の爪ほどのサイズしかありませんが、プロカメラマンが使用する一眼レフのCCDはフィルムと同じサイズ(24mm×36mm)です。

確かに、需要予測ソフトウェアを使えば「誰でも高度な数学理論に裏付けられた結果を得る」ことまでは可能です。しかしそれ以上でもそれ以下でもありません。その得られた結果がスループットを向上しうるほどのものなのかどうかは保証されません。ましてや、どのソフトウェアも「人知を超えた」性能を発揮するとは謳っていません。この大きな誤解が、需要予測システムの失敗に結びつける最大の要因と言っても過言ではないのです。得られるはずも無い人知を超えたパフォーマンスを期待するあまり、アルゴリズム沼にはまってしまう企業が後を絶ちません。

参考:データマイニングの神話と誤解



以下質問の多い項目を紹介いたします。

需要予測は当るのか?

当りません。当りませんが利益を生み出し、不安定な「人の経験知」を安定した「企業の仕組み」にすることができます。



需要予測システムを導入すれば全自動になるのか?

なりません。

実は需要予測によって得られるメリットとして「よく当たる商品」、「当りにくい商品」、「当たらない商品」の選別が可能になるということがあります。これらの選別によって、当たりやすい商品はアルゴリズムの改善などでより精度を追求し、当りにくい商品は別のアルゴリズムを検討し、当たらない商品は運用でカバーするなどの施策を検討することができます。これらの「当たる」、「当たらない」は「予測誤差」を定量化することで厳密に定義します。たとえば季節商品やめったに売れない商品は当たりにくい部類に入ります。また、季節商品とよく間違われる気温商品は「当たらない」商品の代表的な例です。気温商品とは、気温によって売れ行きや初動が左右される要素の大きい商品をさします。たとえば家電分野の代表的な気温商品であるエアコンや扇風機は「最初の熱帯夜の翌日」がもっとも売れます。気温の長期予測は、非線形偏微分方程式による数値モデルを用い、100万台のコンピュータに匹敵するようなスーパーコンピュータを駆使する気象庁などでも難しく、前日にかろうじてまともな予測できるかどうかというレベルです。「気温」という強い相関の変数がわからない以上、気温商品を正確に予測することはできませんので、これらは別の手段を講じる必要があります。

需要予測システムの初期費用は?

データベースの規模や一度に処理すべき件数に大きく左右されますが、代表的なソフトウェアベンダーが持参する見積もりは、最小構成でも2000万〜3000万円程度の額になるとお考えください。もちろんハードウェアは別です。規模によっては「上限」となるべき指標はありません。これを高いと感じるか、安いと感じるかは「システム予算による」というのが正直なところかと思いますが、繰り返すように需要予測はスループットの向上が目的ですから、絶対額や予測精度よりも、それによりどれほどキャッシュフローが改善するのかをきちんと測定する必要があります。また、コンビニのように、業態によってはリードタイムの短縮によって、需要予測と同じ効果が得られますので需要予測に拘らずにあらゆる方法を検討すべきでしょう。

需要予測の精度はどの程度をベンチマークとすればよいのか?

多くの場合は、人手による発注精度をひとつの第一目標としますが、そこから何パーセント改善するというよりも、正規分布で言う両翼の部分、つまり「当たり外れの大きい部分」を削ってあげる作業、つまり偏差を軽減する作業を優先していきます。本来10個売れるものを人によっては2個、人によっては50個などと発注していた部分は、8〜12個で予測できるレベルにするのがひとつの目標です。また、先ほどもご説明したように、当たりやすい商品とそうでない商品があるため、それらを管理区分で分け、区分別の予測精度をモニタするほうがよいと考えます。需要予測の精度検証については独自のノウハウがございますのでご相談ください。

需要予測システムを導入するメリットは?

いま何もしていない企業であれば100%メリットがあります。

メリット1:過剰在庫の防止
優秀な発注担当者でも必ず心理的なバッファを持っています。なぜなら品切れすると上司やお客様から叱られる為です。したがって100個売れるだろうと思っても130個、人によっては200個発注してしまいます。これを「心理的過剰在庫」と呼びます。これらを調達リードタイムと安全在庫量から欠品する危険率を定義して、例えば「120個」とするだけでも大幅に過剰在庫は抑止できます。とあるチェーンストアでは物流センターの物量が40%も削減できたという事例があります。つまり、物流費と倉庫費が削減し、最小限しか在庫を持たないのでキャッシュフローは増大します。

メリット2:発注コストの削減
人件費のような直接費だけではなく、発注リストなどの出力される紙資源の節約になります。

メリット3:予測精度の向上と運用による機会ロスの防止
ここは予測アルゴリズムのチューニングをする業者の腕の見せ所ですね :- )

需要予測で効果があるのか試してみたい。

多くの企業では「本当に効果があるならぜひ導入したいが・・」という声が多く聞かれます。ソフト・アンド・ロジックでは驚くほどの低予算で、導入検討用のベンチマークを実施しますのでぜひご相談ください。





需要予測システムを成功に導くソフト・アンド・ロジックのネゴシエーター機能

需要予測システムは、どれだけ優秀なソフトウェアであっても、どれだけ優秀なスタッフや数学者であっでも、成功に導くためには不足する要素があります。それは「現場の知識と数学理論とシステムを全て知っているか」どうかです。一例を挙げた「季節商品と気温商品の違い」がわからずに、ARIMAモデルその他の時系列モデルなどで無駄な予測をしてしまうケースや、パッケージ変更しただけのJAN違い商品を別の商品として弾いてしまうと言ったような、「使えないシステム」が現実には多く発生しています。ソフトウェアベンダーは確かにシステムのプロフェッショナルが揃っていますが、彼らだけに任せてしまうと「もっとも面白いギャグ」を発見するのに、膨大なデータを結合し、数理モデルを駆使して計算しかねません。

また、依頼側の企業についても同じことが言えます。システム部署はあっても、統計のプロや数学者などがいるはずもなく、なにやら難解な計算式を提示されて煙に巻かれてしまい、いざシステムが立ち上がってみたら、膨大なトランザクションが処理できずに、計算に一週間もかかってしまったり、とんでもない予測値が出てしまい、半年経っても改善しないなどの事例を多く聞いています。

ソフト・アンド・ロジックでは実際の小売の現場で長年経験を積み、そのノウハウを元に、数学理論と最新のソフトウェアを用いた需要予測システムを稼動し、導入企業において年間数億円規模のスループットの向上という、大きな実績を上げた経験を擁する企業です。

需要予測システムのRFPから用件定義、プロジェクトマネジメントはもちろん、ご依頼企業とソフトウェアベンダー間の間を取り持つ「ネゴシエーター」としての業務も承っております。

ソフト・アンド・ロジックのネゴシエーターサービス
企業様と開発担当企業様の仲介役として、豊富な経験と実績を元に「スループット」の向上を目的とした需要予測プロジェクト成功に導くアドバイスを実施する、当社オリジナルのサービスです。

なお、開発前のご相談には無料で承っております。(交通費は実費ご請求させていただきます。)

こんな企業様にオススメです。
需要予測システムを導入したいがどこに相談すればいいのかわからない。(相談無料)
現在開発中だが、予測精度が上がらずに困っている。
現在開発中だが、開発会社との意識のズレが埋まらない。
数理モデルの知識が無く、開発会社のやり方が正しいのか判断できない。
立ち上げ後の、予測精度の改善や担当社員教育が不安だ。
ネゴシエーターサービス参考費用:180,000円〜


ネゴシエーター・・・心理学、行動科学、犯罪学の知識と話術を用いて、犯人と直接的に交渉・折衝を行い、犯人の精神状態や現場の状況についての情報を収集し、事件を平和的に解決するように導くことが任務とされている媒介交渉のプロ。主に人質救出作戦において犯人との交渉を担当する警察・政府の要員をいう。



実績紹介

概要
売上1000億以上、全国100店舗以上のチェーンストアの予測システムを担当。ニューラルネットワークアルゴリズムとトレンド分析、及び低精度商品の独自運用の組み合わせにより2週間先の販売数を予測し、店舗在庫を考慮して発注数を決定する。
費用
ソフトウェア/3500万円   ハードウェア/1000万円  PG・SE外注費/1500万円
開発期間
約6ヶ月
効果
心理的な過剰発注を防止し、発注精度が約5%向上することにより、総発注個数が40%削減。ミスや漏れによる欠品率の大幅改善。発注担当者人件費及び、物流コストの削減などにより初年度から1億5千万円のコスト削減効果。




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